本誌公式Xで表紙写真を見たときメイデンやプリーストのファーストが上がっていて、おいおいずいぶん広角な特集だなと思って購入。
まずこういう特集は定義にこだわって読まない方がよろしいですな。ジャンルの定義は各個人で言い分があり、それにこだわると、これは違う、あれも入らん、なのにこれが入ってないじゃん、なんだこの本は!と、楽しみに買った本に怒るという変な現象が起こるわけです。70年代のバンドに関してはメタルでは無いアルバムが多く挙げられており、納得いかない方多数とお見受けいたしまするが、歴史を踏まえるという意味ではよろしいのでは程度に軽く考えては読みましょう。とにかくですねこういう特集の時は各ライターの聴き方とか音の表現とかを楽しむようにすると面白いですよ。あーそういう聴き方もあるなと新しい視点を与えてくれる。そしてライターが音をどう活字化しているのか。あのバンドに似たタイプのサウンドみたいな地方情報誌のCD評みたいな表現は無いですから。とくにプログレ系は聴くだけでも複雑怪奇で変拍子マシマシなので、それを活字で伝えようとすると「個人住宅的に音構造を縮小しているものの物語性は高い」「門構えが大きい。大きい上に装飾も多い。門から玄関までがまた遠い」「メロディックなリフの千本ノックな40分間だ。」という様な活字だけを追えばとても音楽評論とは思えない、面白い表現が出てくる。これを楽しみながら読んで新しい視点からサブスクで聞く。よけりゃCD購入で、めでたしめでたしなんです。