まだ5冊ほどしか横溝正史を読んでいない俺であるが、これは最高傑作なのではないだろうか。しかもミステリーという分野もほとんど読んだことがない俺がいうのもなんだが、横溝ミステリーは謎・因習・エンタメの三位一体攻撃だと思う。因習部分が強く出るとかなり暗い物語になるところを見立て殺人のようなホーラー一歩手前のエンタメ要素でくるんだ事が流行した一因だと思うのだが、この作品はエンタメ要素が、より前に出ていて暗さが薄い。まず金田一が休養に来ているという設定が良いんだよ。休養なのになんで鬼首村なんていいう如何にも何か起こりそうな村に来るんだよ金田一(笑)。それを警部がこんな未解決事件があるんだけどね、興味ある?みたいに引き込んでいくんだが、なかなか乗ってこない金田一。だって俺、休養中だもん。でもやっぱ事件が起こると本気になってきちゃうんだな。しかも終いにゃわざわざ神戸まで出張に行くし。この金田一の高まり方みたいなのの描き方が実にうまい。しかもですな、ちょっとネタバレですが、そののんびりしに来た温泉がまさかのまさかですからね。
俺、横溝にかなりはまりまして先日は岡山県真備町にある疎開先宅までいっちゃいましたよ。そしたらおりんのブロンズ像がありましてね。いやー人気モンなんですな~おりんさん。だいじにしてつかーさい。
さて次は何読もうかな。