METAL RYCHE m-2316

METAL RYCHE鋼鉄帝国として20年ほど前から やっていたホームページから転進しました。 「鋼の旋律」は主に音楽関係について。 ジャンルは軽音楽なので気楽に読んでくれ。 「鋼鉄の言霊」は社会一般に対する我が闘争。 我が妄想に近いが、我が早漏よりもましであろう。まあ、これも気楽に読んでくれ。 「銀河のスクラップ」は本や映画の感想など人生のスパイスだな。たまに塩味がきついが気軽に読んでくれたまえ諸君。

杏奈は春待岬に/梶尾真治

 「椿時跳び」があまりに素晴らしかったので、これも読んでみた。
タイムトラベル物で前半はキュンキュン来る展開。しかし中盤の主人公健志が老いていく辺りから怪しくなってくる。杏奈は未来から人間なのだがタイムトラベルの失敗によりある一定時間しか現世と時間を共有出来ない。それで主人公はその現象を解決することを誓うのだが全く進行しないまま物語は自分と同じように杏奈に恋する少年”浩志”が現れる。この少年が主人公の子供ってのはなんとなくわかっちゃうのだが、その母である青井梓と健志との因縁が描かれていないので梓が一方的に主人公を好きなだけになっており今一つ因果を感じない。最後は浩志と杏奈がクロノスで仲良くランデブーという結末だが、うーーーん、これにキュンキュン来るほど少年の心は俺に残ってないな。これ有川浩が書いたらどうなったかな。
 最後の解説を読んでいたら「サラマンダー殲滅」の最後で敵が自滅しているという腰砕けのオチはなんと連載当時、枚数が足りなかったので書き切れなかったのであーなった、という事らしい。うぉーそれならきちんと改訂版出してくれーと思ったのが良いおまけだった。