「椿時跳び」があまりに素晴らしかったので、これも読んでみた。
タイムトラベル物で前半はキュンキュン来る展開。しかし中盤の主人公健志が老いていく辺りから怪しくなってくる。杏奈は未来から人間なのだがタイムトラベルの失敗によりある一定時間しか現世と時間を共有出来ない。それで主人公はその現象を解決することを誓うのだが全く進行しないまま物語は自分と同じように杏奈に恋する少年”浩志”が現れる。この少年が主人公の子供ってのはなんとなくわかっちゃうのだが、その母である青井梓と健志との因縁が描かれていないので梓が一方的に主人公を好きなだけになっており今一つ因果を感じない。最後は浩志と杏奈がクロノスで仲良くランデブーという結末だが、うーーーん、これにキュンキュン来るほど少年の心は俺に残ってないな。これ有川浩が書いたらどうなったかな。
最後の解説を読んでいたら「サラマンダー殲滅」の最後で敵が自滅しているという腰砕けのオチはなんと連載当時、枚数が足りなかったので書き切れなかったのであーなった、という事らしい。うぉーそれならきちんと改訂版出してくれーと思ったのが良いおまけだった。