11月27日のサンデーモーニングスポーツコーナーに江川卓が登場した。
我々世代にとって江川にはダーティなイメージが常に付きまとう。
江川は3回目のドラフト1位指名の際に空白の一日と言われるどう考えても不正な過程を経てジャイアンツに入団した。
現役時代の江川には手抜きと言われた投球やピッチャーライナーを避けたり、ホームランを打たれて首を傾げるポーズ、批判に対してひょうひょうとした対応などの記憶が強く、掛布との名勝負や最後はチームのために針を打って登板したなどのエピソードを語られてもどこかしら嘘くささが伴う。
実際プロ入りしてからの数字は大したことがなく、記録には残らないが記憶には残る選手の典型だ。冷静に振り返れば彼の全盛期は高校時代だったと言える。
あの事件にしろ、このイメージにしろ全ては読売グループが悪いとも言われるが、
ジャイアンツに強いこだわりを持っていたのは江川本人だと言うのを忘れてもいけまい。でも彼はそのジャイアンツのコーチにさえなれていない。野球関係の仕事も少なくなり、野球ファンも江川に何かを感じるのは40代なかば以上となった。
丸まった背中からは何か悲しげなものを感じた。
それにざまあみろと言えるほど思うどおりの人生を送った人も多くはあるまい。