METAL RYCHE m-2316

METAL RYCHE鋼鉄帝国として20年ほど前から やっていたホームページから転進しました。 「鋼の旋律」は主に音楽関係について。 ジャンルは軽音楽なので気楽に読んでくれ。 「鋼鉄の言霊」は社会一般に対する我が闘争。 我が妄想に近いが、我が早漏よりもましであろう。まあ、これも気楽に読んでくれ。 「銀河のスクラップ」は本や映画の感想など人生のスパイスだな。たまに塩味がきついが気軽に読んでくれたまえ諸君。

ラムシュタイン/無題

 どちらかといえばメロディアスなバンドが好きな俺にとってラムシュタインは非常に興味はあるがドイツ的なデジタルビートが支配する無機質なメタルバンドというイメージで買うまでには至らなかったバンドだった。まずドイツ語自体が実に格好いい言語だと思う。その格好いいドイツ語をバス音域で淡々と歌う、その金属的な質感が良い。起伏に富んでいるとは言い難い曲が多いが淡々と叩き出されているリズムが聞き慣れると絶妙な快感を生み出してランナーズハイのような気分にしてくれる。
 一曲目の”ドイッチュラント”はアルバムに先行して公開されたPVがユダヤ人を扱ったことから問題になった。ドイツ語はわからなかったがその内容は明らかに単純なユダヤ差別ではないことは明らかだったが、和訳を読むとドイツ人の祖国に対するねじれた複雑な感情がよくわかった。
ドイツの歴史は複雑だ。特に2度の世界大戦を引き起こしたという負の歴史、その中でも特にナチスという悪のお手本の様な存在が自分達の歴史に存在するということがドイツ人の自国の歴史に対する複雑な思いになっている。人間誰しも祖国やら故郷やら我が一族、最小単位は我が家に誇りを持ちたいだろう。そこに明らかな黒い点がある。日本も同じように黒い点があるといえばある。しかしドイツに比べれば遙かに薄く小さい。イギリス、フランス、アメリカなんぞ真っ黒でイギリスなんぞ・・・これはここでは語るまい。とにかく祖国を誇りたいのに誇れない、素晴らしい工業製品を生み出し続けるマイスターの国、哲学者カントやベートーベンやスコーピオンズを生み出した国。ザワークラフトとビールにあふれる世界に冠たるドイツ帝国
なのに、なのに、なのにドイッチュラント。この1曲だけでハロウィーンのアルバム5枚分の思考を必要とするな(笑)。消防法が絶対に許さない炎のパフォーマンスは自衛隊演習場でも使わなければ日本で実現不可能なだけにますます見てみたい。