続編が出て、それに加藤清正が出ていると聞いて俄然読みたくなった。
だがそれにはまず本作から読まねばと読み始めたが、熊本出身の俺にとってはなんで今まで読まなかったのか不思議なぐらいの作品。
梶尾真治は昔、地元新聞に「カジシンの躁宇宙」というエッセイを連載していた。
単行本が出た際に大学に講演会がありサインをもらったりしてよく読んでいた。
しかし梶尾真治がメジャーになった時期は、丁度俺が社会人成り立ての頃で一番SFや小説から遠かった時代だった。
その後落ち着いてから「OKAGE」あたりは読んでいる。
この作品も映画化されたので知ってはいたが読んでいなかった。
舞台が熊本市内ということで聞き馴染んだ地名が続々と出てくるのだが
自分の出身高校のOB会名が出てきたのにはかなり嬉しかったな。
ここまで地元密着型小説ってあるんだろうか(笑)。
驚くべきは熊本大地震が益城町震源で起こるとなっているところだろう。
物語では大地震には至らないのだが、やはりSF作家の様な人達は何か感じるところでもあるのだろうかと考えてしまう。
全体に感じられる作者のユーモアセンスだが、熊本人でいうところのすきゃーた感覚が感じられる。
バラバラなような登場人物が最終的にはつながっていく伏線回収も見事で映画化も納得の面白さだった。
相楽周平だけ生き残るのがまさか続編を考えての事だったのだろうか・・・。