断っておくが俺は小学生からのビートルズファンで初めて買ってもらったレコードがウイングスオーバーアメリカという筋金入りのポールファンを自認している。
その俺が買って50回ぐらい聴いて断言するが、決して万人受けする傑作ではありません。音楽が全てのポールは音楽活動に強い制限がかかったコロナ禍は耐え難かったに違いなく、暇以外の何物でも無く、じゃあやるかと一人で作り始めたと、本人もはっきり言っている。人々に勇気をなんて言うのは格好つけた後付けの理由なのは見え見え。
確かに御年78歳にしてこの実行力は凄いし何より過去の曲と類似の曲がほとんどないというメロディの泉ぶりには音楽の神様とオンライン通話しているのではないかとさえ思う。だからと言ってそれが傑作になったかと言えばアルバムとしては盛り上がりも何も無くほとんど印象に残らない。ちょっとギターやった人ならわかると思うが素人が考えつきそうなフレーズさえある。
思えば過去の「マッカートニー」も「マッカートニーII」もほとんど全く同じ感想を抱く。3枚に共通するのはポールが自分のために作ったという極めて強いエゴである。それを無理にありがたがる必要は無い。ハッキリ言ってポールの暇つぶしに過ぎないポール狂しか愛せない駄作である。