わかるんだよ、ゴジラ愛にあふれた映画と言うことは。東宝シリーズリスペクトネタ散りばめられ、各怪獣達の造形は人それぞれ好みの問題だが、特徴を活かした格好良い見せ場があった。特にキングギドラが十字架を手前にして雄叫びを上げるシーンは悶絶級の格好良さだった。ストーリーは環境問題を基本としている。テロリストが怪獣を復活させ地球リセットをもくろむ。それに対抗するのがモナークという東宝シリーズに良く出てきたわけのわからない国際連合組織・・・とここまでは文句なしなのだが、環境クソ女のおかげでぶち壊しだ。こいつのばかげた行動とファミリーが展開する家族愛にあふれたご都合主義な展開がストーリーをぶった切り秀逸なプロットすら薄っぺらい物にした。どうしてモナーク・ゴジラ組対テロリスト・キングギドラ組のシンプルな怪獣プロレスストーリーにしなかったのだろう。
またもう一つしらけたのは全然スケールが合わないシーンが続出した事だ。一つの街をすっ飛ばす位の壮大なスケールで画面一杯に展開されていた怪獣による破壊シーンが、一人の人間を追いかけ回しながら同じように光線を発射しても転んでちょっと傷つくだけというのは3Dやら4DX用に必要な演出だろうが巨大怪獣映画に合わない。そして後半花火をずっと見ているような爆発シーンの連続も俺みたいな中高年の目には辛かった。
愛情一杯だけど昨晩の残りご飯に焦げた焼き魚と甘すぎる目玉焼きが入った愛妻弁当の様な映画だった。