最初に気に入ったのは嫁の方だ。
5年ぐらい前だったかキモカワイイと絵本か何かを買ってきた。
見れば猫の頭に蛇の腕、手足はタコという何とも言えない奇妙な生き物がたくさん書いてあった。その時は、あーまた面白物見つけやがったな程度にしか思わなかったのだがいつの間にか俺の方がはまってしまった。
きっかけは2017年東京都美術館で行われた「バベルの塔展」に併せて公開された一連の中世絵画を思わせる絵だった。ペン画のタッチが中世の版画に近い物があって、この手の不思議絵が好きな俺にどストライクで来た。今年はついに個展が開かれ神戸と広島の2カ所でじっくり見ることが出来た。とにかく書き込みが凄い。病的とも思えるような書き込みは可愛いと同時に不気味を感じさせる基本となっている。ヒグチさんの書くキャラクターはどれも可愛いだけでなく不気味さや極端な場合は死を感じさせる。可愛いと不気味という全く相反する要素が同時にキャラクターや一枚の絵の中に存在する不思議さ、その落差を楽しんでいる。ツイッターも追っかけているが仕事量が半端ないので時に心配になる。