METAL RYCHE m-2316

METAL RYCHE鋼鉄帝国として20年ほど前から やっていたホームページから転進しました。 「鋼の旋律」は主に音楽関係について。 ジャンルは軽音楽なので気楽に読んでくれ。 「鋼鉄の言霊」は社会一般に対する我が闘争。 我が妄想に近いが、我が早漏よりもましであろう。まあ、これも気楽に読んでくれ。 「銀河のスクラップ」は本や映画の感想など人生のスパイスだな。たまに塩味がきついが気軽に読んでくれたまえ諸君。

AIとカラー化した写真でよみがえる 戦前・戦争(光文社新書) 9月1日読了

 白黒写真とカラー写真でどちらがリアルに感じるかと言えば圧倒的にカラー写真。第二次大戦から75年経ち当時を知る人は非常に少なくなり、それを語れる人はさらに少なくなった。これではいけないと世界大戦を後世に伝えるために始めたのが、白黒写真をカラー化するプロジェクトだった。そのプロジェクトの一部をまとめたのがこの本。その主旨には大いに賛同する。カラー化された写真からは白黒に比べると遙かに高い生々しさと迫力を感じることができる。
 しかしそれを踏まえて、この本の写真の選び方には一言苦言を呈したい。選ばれた写真の中に解像度が低くカラー化した意味があるのかという写真が多々ある。例えば空母赤城から真珠湾攻撃に向かう零戦マリアナ海戦で撃墜される日本海軍機、レイテ海戦での武蔵、沈没する戦艦大和、などの写真だ。これらはもしかすると大戦における重要事項だから選ばれたのかもしれないが、カラー化した写真で伝えることがプロジェクトの主旨なわけだからちょっと違うのではないかと感じた。それよりももっとインパクトがある写真はいっぱいあったのでそれらをもっと大きなサイズ、あるいはカラー化前との比較掲載した方がよかったと思う。カラー化したとき一番凄いなと思えるのはやはり爆発や炎が写っている写真だ。逆にきれいだが今一つ伝わってくる物が少なかったのは強制収容された日本人の写真。元々の画質が良いのできれいな写真になっているが強制収容されたという事実は重いのだが、正直インパクトに欠けるので2枚程度で十分だったのでは。同じように日本各地の爆撃の写真も小さすぎてあまり意味が無いように思えた。繰り返すがどこどこが爆撃されたという文字ではなくカラー写真で伝える何かが重要ならばもう少し違った選択と掲載方法があったのではないだろうか。
現在かなり売れているらしいが、これは良いことだと思いますよ。