METAL RYCHE m-2316

METAL RYCHE鋼鉄帝国として20年ほど前から やっていたホームページから転進しました。 「鋼の旋律」は主に音楽関係について。 ジャンルは軽音楽なので気楽に読んでくれ。 「鋼鉄の言霊」は社会一般に対する我が闘争。 我が妄想に近いが、我が早漏よりもましであろう。まあ、これも気楽に読んでくれ。 「銀河のスクラップ」は本や映画の感想など人生のスパイスだな。たまに塩味がきついが気軽に読んでくれたまえ諸君。

メタリカ/メタリカ(ブラックアルバム)

 このアルバムが91年8月12日に世界発売された直後の8月17日、イギリスドニントンパークのモンスターズオブロックにメタリカは出演。メタリカはトリのAC/DCの前、夕暮れ時のスタートだった。1曲目はエンターサンドマンで、すでにみんな知っているのかガンガンにヘッドバンギングしている。そして半端ない数のションベンボトルが空を舞い、その中身とは裏腹に夕日にキラキラと光り実に感動的に綺麗だった・・・。


 俺にとってメタリカはマスターを後追いで知りジャスティスがリアルタイム。このアルバムは非常に思い出深いアルバムではあるものの好きかと言われるとメタリカでは4番目ぐらい。やっぱりそれまでに比べると曲が平板すぎる。たしかにまだアナログLP的な作りがあって緩急はあるんだけれどもアルバム1枚聴いた時はなんだか平板。でもそれがバンドの狙いでもあり徹底されていたのはわかる。わかるんだけれども何だかなー。せめてもうワンテンポ速い曲が1曲入っていればとも思うが。
ただ低音とSN比だけはいつ聴いても素晴らしいと思う。
エンターサンドマンが始まってすぐに聞こえるベースとバスドラからして素晴らしく深い響きがあるのにメタルとしての硬さも味わえる。
これに閃光の如くギターリフとリムショットが重なる瞬間は最高だぜボブ・ロック。 そして”サッドバットゥルー”。当時メタリカがメタルをねじ曲げたとさえ言われたスピードを廃した超重量級リフナンバー。これをドニントンで初めて聴いた時はナタとハンマーを一度に脳天に喰らうような衝撃度があってしばしヘドバンを止めて聞き入った記憶がある。(カークハメット側、端っこの隅っこ、前から3列目ぐらいにいた)
続く”ホリオダンナォー”はかなりスピードが上がって従来のイメージのメタリカ
だがここまでなんだなーこのアルバム(笑)。
”ジアンフォーギブン”のイントロは寂れたスーパーマーケットで流れてるBGMみたいで”ウェアエヴァーアイメイローム”は完全に南部アメリカンなテンガロンハットで拳銃撃ち合っているイメージ。これ、それまでのメタリカ像とは真逆でしたよ。


 でね30周年って事で久々に聴いてみました、フルに。
ジェームスの歌は以前のアルバムに比べると格段に上手くなったと言われたが、いやいやどうだろう。アルバムイメージに合わせて随分押さえて歌っている様に思う。それまでの感情むき出しの歌い方の方が良いようにも思える。これより後の妙に小節を回す歌い方も好きじゃ無いが。それとやっぱりね、このアルバムギターソロが印象に残らんのだわ。
これプリーストの「ブリティッシュティール」に通じるもんがあるな。でもなーあれと違ってポップな曲1曲も無いぞ。これが世界で天文学的売上をしたのがほんと信じられないな。そこそこ売れたぐらいで済んでりゃー、その後のメタリカヘヴィメタル界も随分変わっただろうなー。
滅茶苦茶地味でメタルなブラックカラーを全曲が想起させるアルバムという印象は30年経っても全く変わらない。