トヨタの内幕を描いたと言われ一時的に名古屋で発禁になったとの噂がある「トヨトミの野望」の続編。「トヨトミの野望」はノンフィクションかどうかは別として勧善懲悪様式美でストレートに面白かった。この逆襲編では前作で悪代官的役柄だった豊臣統一が主人公。ＥＶ車開発を巡る技術的な物語は興味深くはあるが前作のような爽快感はない。上手く行かないＥＶ車開発やその他の問題で統一が悩む姿に、ざまあみろと思いながら読み続けるほど俺は根性悪くない。ドロドロした権力争いが絡んでくると身近に似たような事もありがちで、いたたまれなくなり何のために読んでいるのかわからなくなる（苦笑）。ところが最後に、ある技術によってＥＶ車の問題が解決し、中島みゆきがフルボリュームで鳴り響くぐらい一気に盛り上がる。というのもこの部分だけは現時点でも未来なのだ。統一もなぜか良い人になって全てがハッピーエンドになっている。
