METAL RYCHE m-2316

METAL RYCHE鋼鉄帝国として20年ほど前から やっていたホームページから転進しました。 「鋼の旋律」は主に音楽関係について。 ジャンルは軽音楽なので気楽に読んでくれ。 「鋼鉄の言霊」は社会一般に対する我が闘争。 我が妄想に近いが、我が早漏よりもましであろう。まあ、これも気楽に読んでくれ。 「銀河のスクラップ」は本や映画の感想など人生のスパイスだな。たまに塩味がきついが気軽に読んでくれたまえ諸君。

二井原実自伝「真我」 8月10日読了

ラウドネスシンガーの自伝。

メタルは洋楽オンリーだった俺にとって80年代初期のラウドネスは微妙な存在だった。

そんな俺も、これは!と思ったのは84年「サンダーインジイースト」だった。

俺が85年にサンフランシスコに行った時、メタル好きからはラウドネスの名前が出ていたのを思い出す。

この本で一番印象的なのはやはりこのアルバム発売前後の出来事だ。

あれだけのアルバムを作り上げるのは並大抵ではなかった事がよくわかる。

特にシンガーがぶち当たる英語の壁。

これが思っている以上に分厚いからだというのがよくわかる。

そりゃ大抵の日本人が駄目なはずだわ。

楽な日本市場に帰ってくるのはよくわかる。

その壁を破ってバンドは成功するのだが、二井原を待っていたのは思いがけない解雇という挫折。

さらに追い打ちをかけるような喉の不調。

90年代中盤以降は音楽のトレンドが変わりアメリカでラウドネスは苦戦。

日本市場でも二井原だけでなく80年代後半のバンドブームで出てきた多くのバンドが苦境に立たされ解散したバンドも多い。

皮肉なことに日本の音楽市場は史上最高の売り上げを記録している中だ。

生き残りをかけて様々なバンドも生まれては消えた。

二井原もかなり多くのバンドに関わっている。

ラウドネス本体もメンバーチェンジを繰り返す。

そして2000年にオリジナルラウドネスが復活する。

多くの人は行き詰まったからオリジナルメンバーと想像する。

しかしそれが大人の事情による事だったとしても人間関係というのは一筋縄ではいかない。

現在のラウドネスは最新アルバムを聴けばわかるが80年代に全米で活躍していた頃を上回るパワーと実績がある。

その源は80年代に成功したものの大成功までに至らなかった事とそれが自分達には出来るという強い自信だ。

それが嘘でないことはまさに聴けばわかる。

東京五輪には絶対にラウドネスを出すべきだ!

機材の話や最後におまけとしてヴォーカルトレーニングの話も面白い