METAL RYCHE m-2316

METAL RYCHE鋼鉄帝国として20年ほど前から やっていたホームページから転進しました。 「鋼の旋律」は主に音楽関係について。 ジャンルは軽音楽なので気楽に読んでくれ。 「鋼鉄の言霊」は社会一般に対する我が闘争。 我が妄想に近いが、我が早漏よりもましであろう。まあ、これも気楽に読んでくれ。 「銀河のスクラップ」は本や映画の感想など人生のスパイスだな。たまに塩味がきついが気軽に読んでくれたまえ諸君。

ホワイトスネイク/フレッシュアンドブラッド

    これがもしも「スリップオブザタン」の後、93年頃に出ていたら少なくとも日本では大歓迎されたのではないか。そんな事を思ってしまうほどにこのアルバムは80年代後半から続くスーパーバンド期のホワイトスネイクを彷彿とさせて、しかも聴き劣りしない。唯一デイビッドの高音が艶を失っていることぐらいが残念に思える程度だ。他のバンドメンバーのプレイも実に良い。随所に聴かれるスライドギターが気持ちいい。全体的な音がドンシャリでこれも当時を思い起こさせる。おそらくほとんどの人が曲が良いと感じるであろうが、ライナーノーツを読むとかなりの曲が昔からあったアイデアらしい。よく言えば長年暖めてきた、悪く考えれば残り物を使ったとも言える。しかしここは結構重要なポイントなんではないだろうか。曲はまず元のアイデアがあってそれをどう発展させて完成させていくかはその時のメンバーやバンドの状況次第。現在のホワイトスネイクというバンドやデイビッドの充実ぶりが元々のアイデアを非常に良い形で発展させてアルバムになったと思う。
「スリップオブザタン」の後という話を出したが、このアルバムの音の印象は「スリップオブザタン」によく似ている。あのアルバムは今までデイビッドにとっては鬼門に近いアルバムで避けてきたのかもしれない。まあ他のアルバムもほとんど鬼門に近い状況だったが(笑)。「サーペンスアルバス」の天文学的な大ヒットはデイビッドの状況を一変してしまったので、それに続く「スリップオブザタン」製作時のプレッシャーはとてつもない物だったことは想像に難くない。当時はまだ期待されていたエイドリアン・ヴァンデンバーグのソングライティングに全てはかかっていたが、あろうことかエイドリアンの腱鞘炎によってギターソロの多くをスティーブ・バイが弾くことになった。その結果があれである。ただしセールス的には300万枚ほどを売っておりサーペンスアルバスには遙かに遠く及ばなかったもののそれなりのセールスを獲得している。確かに大変だったがあの時期はやりたい放題で良い感じだったな・・という気持ちが時を経てデビッドに出てきて、その良い感じもこのアルバムに出てきたのではないかと想像する。
でもなー、歌詞は下ネタだらけでネイティブな方々がどう感じているのか、例えは悪いがサザンオールスターズの桑田が下ネタ、あれに近いのではなかろうか。
とするとアメリカ人にとってはデビッドは御ゲフィンな沢田研二といった存在感なのか。
ウーーーンベイベー。