同僚のベトナム人が突然辞めた。コロナで解雇され困っている労働者も多いのに自ら辞めた。正直なところ、この仕事に向いていると思っていなかった。エンジニアとして図面も説明書も読む必要があったが、まずベトナム人は漢字が読めない。驚いたことに英語も全くダメでストップみたいな超基本的な単語ですら知らなかった。入社時の小学校低学年レベルの読み書きから1年で小学校高学年レベルになった努力は認めるが仕事では到底使えない。それを本人も薄々気づいていたようだった。それでも今、辞めるべきではないと言ったのはこちらにも良心があったからだ。だが辞めた。会社契約住居を出たので住むところが無い。友達の所をてんてんとすると言ったので、さすがにほっとけず市役所に一緒に相談に行ったら説教されていた。そして案の定、再就職は暗礁に乗り上げている。
驚いたのは原付免許を取ったことである。今時はベトナム語で筆記試験が行われるので軽く合格して交付されていた。2週間ほどしか住まない仮住所で簡単に発行され、漢字なんか読めやしない人間が道路を走るのである。いろいろな意味で恐ろしい。この人は日本語は駄目でも学歴は高くベトナム人にすればちょっとエリートなので金が稼げる日本に来たのだろう。ところがその頭を活かせる職業には言葉の壁が立ちはだかる。単純な工場勤務や3K仕事は短期的には良いだろうが、将来行き詰まるのは目に見えている。
研修生という名の3K労働者は彼らにしてみれば給料が稼げるし、短期で帰る。昔からのいわゆる出稼ぎだよね。しかし高度人材でくる外人は移民を目指してくる人も多いだろう。日本も人口増加の意味から望んでいる節がある。でもこれは将来、お互いに不幸な結果を招くだけなのではないか。やはり安易に移民は認めるべきではないと実感している。