METAL RYCHE m-2316

METAL RYCHE鋼鉄帝国として20年ほど前から やっていたホームページから転進しました。 「鋼の旋律」は主に音楽関係について。 ジャンルは軽音楽なので気楽に読んでくれ。 「鋼鉄の言霊」は社会一般に対する我が闘争。 我が妄想に近いが、我が早漏よりもましであろう。まあ、これも気楽に読んでくれ。 「銀河のスクラップ」は本や映画の感想など人生のスパイスだな。たまに塩味がきついが気軽に読んでくれたまえ諸君。

ビートルズ/ゲットバック ルーフトップコンサート

 

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IMAXで動く4人の綺麗な画像を見れるだけでも幸せなのにタイトにまとまった演奏を良い音で聴けて幸せMAXでした。
夜8時50分からの上映でお客さんは半分ぐらい入ってたけど、
多分、平成生まれはいません(笑)。

 屋上での演奏だけかと思ったら最初にちょっとしたバンドのバイオグラフィーみたいなのが入っていた。今更ながら思うがネットのダラダラ公開よりもきちんと2時間の映画作ってくれないかな。
撮影・演奏準備が映し出されると、まもなくふらりと、ほんとにふらりとメンバー現れて、特に機材のチェックをするでもなく、すんなりと演奏が始まる。このあたりはハンブルグ時代からの経験か、当時の音楽事情なのか、セッティングやチューニングにこだわりが無い。ただリンゴだけは少し注文をつけていた。”ゲット・バック”が始まると演奏の迫力に圧倒される。IMAXなので音もいいのだろうが、とにかく演奏がタイトで、シンプルな曲の一音一音が強く響く。”ドント・レット・ミー・ダウン”のジョンの歌声が聞こえた途端にわしゃあ泣いたわ。演奏は結構グダグダで歌詞間違ってもええ。ジョンの頭をナデナデするような歌声は全てを吹き飛ばす。”アイブガッターフィーリング”のアルバム採用バージョンの演奏はとにかく凄い。この頃のポールは独特の唸るような唱法で歌うがその迫力は凄まじい。こんなスローな曲でも体は16ビートで揺らしているポールのエネルギーと格好良さは半端ない。それに対してジョンは全然この曲に合わないような歌メロを歌っているのだが、これが絶妙にハマるのが不思議というか奇跡。最後半は相反するポールとジョンの歌メロが絡み合ってレノン・マッカートニーという世界最強タッグが聞かせるベストソングの一瞬となっていく。この間に割り込んでくるジョージのギターがまたかっこよすぎる。このギターソロはポールのダメ出しでジョージが切れるといういわくつきの物だが、意地を見せつけるような強烈なフィンガービブラート付きのチョークダウンフレーズはものすごく印象に残る。そして何と言ってもリンゴですよ。この曲はかなりハードロックに近いので、パワフルに叩かなければならない。確かにこの頃から始まったバスドラやタムに毛布を入れてるので低音は強調されているが、元々リンゴはパワーヒッター。低くセットされたシンバルやタムを荒々しく押し出すように叩くと実にパワフルな音が出て来る。しかもハイハットをほとんど刻まないのにリズムは正確。解散後も他のバンドで叩いて欲しかったなー。
”ワンアフター909”も非常にまとまっていい演奏。”アイブ~”と違ったロックンロールのノリがいい曲で4人とも実に楽しそうに演奏している。今どきだったら活動休止5年とかざらにあるのでビートルズもそれで解散を避けられれば・・・なんて思いたくなる。演奏シーンはノーカットとの事なので、同じ曲を数回やっている。それでも演奏時間は正味30分弱だろうか。バンドが過去にやっていたライブ演奏とほとんど同じ演奏時間だった。この後でネットで公開された映像をチラ見せ。1時間弱の映画ですが、思っていたよりもドキュメンタリータッチの作品で、ポリ公邪魔!と思う場面もあるものの、それが緊張感を生み出していたように思います。
きちんと編集された2時間の映画を観たいと今更ながら思いました。