親衛隊将校が描かれた表紙絵は俺に「買えニッヒ!」と言っていた。いわゆる聖杯ネタなんだが、かなり詳しく調べられており訳も正確で時系列やミリタリー的表記などでしらけることが無い。上巻は物語の説明的な部分も多くやや淡々としているが、下巻は最初から最後までスリリング。その中でルドルフヘスがイギリスへ謎の高飛びを行い、それを巡るヒトラー、ゲーリング、ヒムラー、ゲッペルズの極秘協議が箸休め的に面白い。どうしてもあのオッパイプルンプルンで有名な映画の役者達が演技しているシーンが目に浮かぶ。あの映画ではわりと柔らかく描かれていたヒムラーだが、この小説では残忍な最凶最悪の親衛隊長官として描かれている。この悪魔のようなヒムラーの手足となっているのが表紙に描かれていたヴァイストルト大佐。これがただ単に強いだけで無く冷徹な知性を感じさせるのでヒムラーの残虐さと相まって物語にスリリングさを加えている。ナチスが目的としてるスワスチカを入手する瞬間までは息をもつかせない展開でスワスチカはとうとうナチスの手に渡ってしまう。これでいろいろな事情からヴァイストルトに協力せざるを得なかった元々スペイン人のトリスタンが最後に処刑されるかと思いきや、まさかのクロスオブアイアン!しかもその裏ではイギリス軍のスパイである事も明かされ、スワスチカを手に入れたナチスはソ連へバルバロッサ作戦開始と盛り上がりすぎてワンワン吠えまくりたいほど大興奮のラストは次巻に続くとな!早く読みてーーーー。ハイル!