熊本県人でさえ知らなかった金栗四三さん。アラカン以上の年代には結構知られていたがジャストオリンピックイヤー生まれの俺ぐらいの世代は全然知らなかった。
大河ドラマ「いだてん」を熊本県出身の俺は最終回まで完走した。とつけみにゃー面白かったと言いたいところばってんが、正直微妙なところである。落語とオリンピックを絡め現代(64年)と過去を行き来する複雑な構成は興味を持ってみていてもわかりにくく、一気にクライマーーックスってところで落語が始まったりして時にしらけさせる演出となった。そして熊本県人にしかわからない、ばってん荒川級ネイティブ熊本弁は他県民にとって字幕無しの日曜洋画劇場だったかもしれない。出演者のハイパー過ぎる演技も癇に障る場面が多かった。さすがの俺も田端が出てきてすぐはその甲高い声とウザいキャラに見るのを止めようかと思ったほどだ。脚本は凄かったと思うがもう少しなにであれだったらよかったのに。そう、ちがうそれ。後半をほとんど見ていなかった八十過ぎの両親と総集編を見たら凄くわかりやすかったらしく、こぎゃん面白かったかな?と言っていた。
それでもいだてんは名作だと断言しよう。大河ドラマのコンセプトは日本の歴史を大河のような流れで描くという事。2020年から見れば戦後から高度成長期はもはや歴史。朝ドラでは何回も描かれた、この時代を大河で扱って来なかったのは低視聴率が約束されているからであろう。それに果敢挑戦し誰も破れないであろう低視聴率をマークしたのは、敗者の歴史を描いたいだてんに相応しい結末だった。いだてんが作った俺の屍を越えていけ状態は必ず近現代史の傑作大河ドラマを生み出すと確信している。