20年ぐらい前まで月刊誌として発行されていた洋楽雑誌「炎」の復刊2号は没後10年を迎えたロニージェームスディオの特集。特集の中の特集として”スターズ”を持ってきているところが俺の購買意欲をそそった。
当時の関係者が語るエピソードはどれも面白い。当時はボブ・ゲルドフの”ドゥゼイノークリスマス”から始まるアフリカチャリティーブームでライブエイドにて頂点に達するが”スターズ”はメタル版USAフォーアフリカ。批判的に語られることも多かった。しかし名だたるヴォーカルとギタリストが次々と腕前を披露する曲、ビデオともにインパクト抜群で、しかも「ウィースタァーーズ」のリフレインがいつまでも心に残る。俺が一番面白かったエピソードはジェフテイト。ビデオではサングラスをかけた怪しい容姿がウルトラマンと呼ばれていたが当時まだ新人の域だった彼は、もの凄く緊張してサングラスを外せなかったらしい。もの凄い存在感は実は緊張感だった(笑)。それとロブさんのテッドニュージェントに声落とせよっていわれたという鬼畜エピソードな。
すっかりロニーの話題からは外れたが、とにかくアルバム「ヘブンアンドヘル」があまりに素晴らしすぎたな。あれは奇跡に近いかもしれない。トニーもギーザーもそれに近いことを言っている。DIOの最高傑作はどれかと言われると俺は迷うが、どれをとってもあのアルバムには遠く及ばない。ロニーはヴォーカリストとして最高なのは間違いない。だが良い曲作りが出来るギタリストと組まなければ良い曲が出来なかったのも事実だ。その点もう少し何かやりようがあったのではないかと俺ならずとも考えるよな。90年代はしょうがないにしても2000年代はまともに弾けるギタリストも出てきていたのに、なぜ起用しなかったのか不思議ですらある。ロニーの歌からは何か古さを感じてしまう。それが良い人もいるだろうが俺は昔の曲(DIOのサード辺りまで)なら良いが、それ以降は時代遅れ感がする事もある。もしかすると本人もそれを気にしていたかもしれない。それ故の頑ななモダンヘヴィネス路線だったかもしれない。結局サバスに戻ってヘブンアンドヘルとして活動しそれなりの作品は残した物の、良い曲が書ける「ネヴァーは3回までな」って言えるネオギタリストと組んだリニュアルされたロニー唱法を聴いてみたかった。