警察物って割と苦手だ。いわゆる無頼系も何となくあわないのだが、主人公はいきなりデカでやる気があんまりないちょっとした無頼系。読み始めはこれ最後まで読めるかなと思ったぐらいだが、主人公が犯人の元カノの殺人をごまかすあたりから面白くなってくる。この主人公が死ぬまでが前半。後半はこの主人公の先輩が事件の真相に迫っていく。
その事件とはある緊縛師の殺人事件。緊縛は禁断の性癖であるためにその周りには非常に怪しい連中が渦巻いている。一方で緊縛をある種の芸術として見る向きもある。殺された男はそこに日本古来からの呪術的要素を見いだしてしまった緊縛師なのだ。この男を巡って事件は展開していく。先輩君が真犯人を追い詰めていく辺りは結構複雑で何が何やらわからなくなっていく。ミステリー慣れしていない俺ではもう一度読み直す必要がある。
そもそもこの手の小説が苦手なはずの俺がなんで手を出したのかといえば、やはりちょっと前に読んだ「花酔い」の影響とSMへの興味である。人間年取ってくるとさ、女の許容範囲が広がるじゃん。若い女ってのが40代でもOKになってんだからな(笑)。それとともに性癖もいろいろと変わるというか滲み出てくるというか出てくるもんだな。