METAL RYCHE m-2316

METAL RYCHE鋼鉄帝国として20年ほど前から やっていたホームページから転進しました。 「鋼の旋律」は主に音楽関係について。 ジャンルは軽音楽なので気楽に読んでくれ。 「鋼鉄の言霊」は社会一般に対する我が闘争。 我が妄想に近いが、我が早漏よりもましであろう。まあ、これも気楽に読んでくれ。 「銀河のスクラップ」は本や映画の感想など人生のスパイスだな。たまに塩味がきついが気軽に読んでくれたまえ諸君。

読書感想

炎 VOL2/バーンプレゼンツ(シンコーミュージックエンターテイメント) 8月10日読了

20年ぐらい前まで月刊誌として発行されていた洋楽雑誌「炎」の復刊2号は没後10年を迎えたロニージェームスディオの特集。特集の中の特集として”スターズ”を持ってきているところが俺の購買意欲をそそった。 当時の関係者が語るエピソードはどれも面白い…

邪心の覚醒(上下)/エリックジャ・コメティ(竹書房文庫)

「ナチスの聖杯」の続編。 前作もそうだったが下巻後半の息をもつかせぬ展開は最高だ。謎の力をもつスワスティカを探すナチスと英国諜報部の争いという基本構図は変わっていないが、ここにヒトラーがなぜ力を持つようになったのかが同時に描かれる。そのため…

特攻の真意/神立尚紀(光人社NF文庫) 8月15日読了

とにかくこの本は一人でも多くの人に読んで頂きたい一冊。 ---あとがきから引用---「特攻」を現代の高みから見下ろすだけでなく、当時の視点で正しく認識することこそが、将来、ふたたび戦争を起こさないための力になるのではないだろうか。---引用…

駆逐艦キーリング(早川書房)

この度映画化されるということで読んでみた。 1942年頃大西洋における連合軍駆逐艦とU-ボートとの壮絶な戦いを描く海洋ミリタリー小説の古典的作品。映画の主演がトムハンクスなので艦長が「よろしい」と言う度にどうしてもあの顔と声が浮かぶがとても…

乞食大将 後藤又兵衛/大佛次郎(徳間文庫絶版)

乞食という言葉がダメで再版不可能な作品と知って探すこと約10年あまり、ついに古本を入手。探した甲斐がありました。心に染みる名作であります。 後藤又兵衛は大阪夏の陣での奮戦がつとに有名で近年大河ドラマでも扱われるようになり知名度が上がっている…

日本沈没/小松左京(角川文庫)

「復活の日」を読んだ勢いで読んでみた日本SF文学史上に輝く名作。「復活の日」も十分に恐ろしかったが、それ以上に恐ろしくしかも悲しい。しかし作品のまとまりとしては「復活の日」の方が上のようにも思える。まず地震理論の説明がやたら長いので、正直…

維新の肖像/安部龍太郎(角川文庫)

同じ作家で以前読んだ2冊が殊の外面白かったので読んでみた。以前読んだ2冊はいずれも従来の歴史小説とは変わった視点が新鮮で面白かった。結論から言えばこの作品は今一つ面白くなかった。それは善悪をはっきり付けたからだと思う。前に読んだ2作は従来…

復活の日/小松左京(角川文庫)

この御時世でこの名作を初めて読んだが、読んでいて気持ちが悪くなるほど恐ろしい。ウイルスによって人類が滅んでいく描写は今現在のTV映像とかぶる。特に東京を描いた描写で、人々がただ事では無いと自覚するのが混まなくなった電車というところは完全に…

トヨトミの野望/梶山三郎(小学館文庫)

冒頭の反社勢力エピソードは経済小説と思って読み始める読者の意表を突く作者の巧妙な罠で主人公の武田が破天荒な人物でやることは凄い事だと思わせることに成功している。続いて武田と対照的に凡庸そのもののトヨトミ家御曹司”統一”とトヨトミ家の背景を描…

ダブルトーン/梶尾真治(徳間文庫)

夢の中で別人になるという体験は誰しもあるのではないだろうか。夢から覚めてぼんやりとしたしかし確かな記憶がある。それがもっと具体的に日を追う毎に確かに実感出来るようなって来たら・・・。田村裕美は子育てに少し疲れた主婦だ。平凡な日々を愛想が無…

メタル脳 天才は残酷な音楽を好む/中野信子

丁度一年ほど前に買っていたのを忘れていた。ガキの頃から洋楽一筋、気づけばメタルばっかり聞いてアバウト40年の俺としては頷くところもあれば、え~そうかぁ~と思うところも多々ある。 まず最初、著者がどうしてメタルが好きになったかが説明される。こ…

紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人/歌田年

2019年「このミステリーが凄い」大賞受賞作。そんな事とは全く関係なく模型誌に紹介されていたので読んでみた。模型にまつわることがポツポツと出てくるが、ほほーん程度で模型ファンのツボを突くような内容ではなかった。日頃、ミステリーを読まない俺…

わかりやすいベトナム戦争/三野正洋(光人社NF文庫)

マスゴミの偏向報道が問題になって久しい。特にツイッターを見るようになってから偏向報道を強く感じるようになった。これが昔から行われていたわけだから過去の報道も相当に歪んでいたに違いない。特に自民党とアメリカに関する報道は相当歪められていたと…

風の如く水の如く/安部龍太郎

「道誉と正成」が実によろしかったので同じ作者の旧作を読んでみようと思い戦国時代の武将で一番好きな黒田如水を主人公にしたこの作品を選んでみた。読んでいて既読感があり、あれっと思ったら新聞で毎日読んでいた「家康」(現在中断中)が同じ作者だと今…

地獄の門(上)(下)/ビル・シャット&J・R・フィンチ

この帯を見た時になんだこれは俺のために書かれた本か!と思ったぐらい俺の趣味に、弩ストライクだった。昭和東宝特撮的展開を期待したがページをめくる毎に期待感は失望へ。基本的に翻訳物が苦手な俺が一番苦手なのは、いわゆる欧米の回りくどい言い方のジ…

道誉と正成/安部龍太郎(集英社文庫)

鎌倉幕府滅亡から南北朝騒乱の始まりまでを婆娑羅大名として知られる佐々木道誉と忠臣として名高い楠木正成の二人を通して描く。俺の知識は日本史教科書と大河ドラマ「太平記」。佐々木道誉は陣内孝則でイメージが定着。楠木正成は武田鉄矢。悪党だけど一途…

深海の使者/吉村昭(文春文庫)

太平洋戦争中、日本はドイツと交流を行うべく潜水艦を派遣する。その潜水艦の苦闘の物語・・・と思って読み始めると1隻目が苦闘の末に70ページほどで行って帰ってきた(笑)。ドイツに派遣された潜水艦は他に数隻あり更にドイツから派遣された潜水艦もあ…

柴田直人自伝/柴田直人

ヘヴィーメタルバンド「アンセム」のベーシストの自伝。このバンドを初めて見たのは87年だと思う。若い頃1ヶ月間に神戸、広島、徳島と追っかけたこともあるぐらい好きなバンドだ。この本は昨年出ていたのだが思い出したように入手して一気読みした。アン…

ナチスの聖杯(上下)/ジャコメティエリック・ラヴェンヌジャック(竹書房文庫)

親衛隊将校が描かれた表紙絵は俺に「買えニッヒ!」と言っていた。いわゆる聖杯ネタなんだが、かなり詳しく調べられており訳も正確で時系列やミリタリー的表記などでしらけることが無い。上巻は物語の説明的な部分も多くやや淡々としているが、下巻は最初か…

なぜ日本陸海軍は共に戦えなかったのか/藤井非三四(光人社NF文庫)

一般的に好戦的な陸軍に対して平和的な海軍という認識が広く日本人にはあるが、そんな認識を根底から覆すと共に当時の軍上層部に対して真剣に腹が立ち現代日本にもつながる日本人の本質さえ考えさせられる一冊。終戦記念日が近づくとこの手の話題も多くなる…

杏奈は春待岬に/梶尾真治

「椿時跳び」があまりに素晴らしかったので、これも読んでみた。タイムトラベル物で前半はキュンキュン来る展開。しかし中盤の主人公健志が老いていく辺りから怪しくなってくる。杏奈は未来から人間なのだがタイムトラベルの失敗によりある一定時間しか現世…

フォッケウルフ戦闘機/鈴木五郎(光人社NF文庫)

フォッケウルフと言えばメッサーシュミットと並ぶナチスドイツ軍空軍の名戦闘機。ところが名だたるドイツ空軍エースが愛用した機体は圧倒的にメッサーシュミットが多い。性能的には各型が常に上回っていたにもかかわらずである。各国の戦闘機を見てもこうい…

一式陸攻撃戦史/佐藤暢彦(光人社NF文庫)

旧日本海軍の一式陸上攻撃機について書かれた決定版。後書きにも書いてあるが旧軍の戦闘機については詳しい本がいくつも出ているが、それ以外の機種となると非常に少なく特に一式陸攻は有名機にもかかわらず皆無と言っても良いだろう。日本海軍は非常に欲張…

レギオニス秀吉の躍進/仁木英之

文庫書き下ろし第三弾。ここまでは柴田勝家から見た物語だったがタイトルに秀吉が来た。しかしあくまで柴田勝家が中心に進む。描かれる時代は織田家が最も苦労した時期。軍団長というタイトルからすれば織田家消滅=本能寺の変で終わり、長引いても賤ヶ岳の…

サラマンダー殲滅/梶尾真治

”黄泉がえりagain”、”つばき、時跳び”がむちゃくちゃ面白かったので、苦手のSFだが読んでみた。 面白い人には分厚い全二巻があっという間なのだろうが俺にとってはそれほど面白いとは感じない長編小説であった。 そこで今回は逆に俺がなんでこの手の…

つばき、時跳び/梶尾真治

いわゆるタイムスリップ物ですが読み進めるに従って時代劇的な切なさが募る。清楚を絵に描いた女性というのは大抵の男心を捉えて放さないものですが、主人公 井能淳が一目惚れしてしまう、つばきさんはまさにそんな女性。江戸時代に生きている彼女は偶然に現…

黄泉がえり/梶尾真治

続編が出て、それに加藤清正が出ていると聞いて俄然読みたくなった。 だがそれにはまず本作から読まねばと読み始めたが、熊本出身の俺にとってはなんで今まで読まなかったのか不思議なぐらいの作品。 梶尾真治は昔、地元新聞に「カジシンの躁宇宙」というエ…

黄泉がえりagain/梶尾真治

前作から17年後を描くが、なんと言ってもこの作品は実際に熊本大地震が来た後だからこその作品だ。 おそらく作者にはあまり続編を書く意思はなかったであろうが熊本大地震が書く動機になったのは間違いあるまい。 前作からの接続が何の違和感も無いのはお…

スピットファイヤ戦闘機/光人社NF文庫

タミヤから1/48 スピットファイヤが出たので気持ちの盛り上げで読んでみた。 格好良い戦闘機とは思っていたが他の日独戦闘機ほど詳しくないというのが俺の実態。 時系列に淡々と各型式を解説していく文章は最初はサクサク読めて良かったが「~のだ」「~…

レギオニス 信長の天運/仁木英之

結構ワクワクさせてくれた興隆編からの続編だが正直ちょっとトーンダウン。 柴田勝家自身が一番不遇の時代なのだから仕方がないが、かなり地味だ。 その代わりに他の軍団長達が大活躍するのだが、他の小説では天真爛漫に活躍する秀吉が、最近の秀吉像に従っ…