METAL RYCHE m-2316

METAL RYCHE鋼鉄帝国として20年ほど前から やっていたホームページから転進しました。 「鋼の旋律」は主に音楽関係について。 ジャンルは軽音楽なので気楽に読んでくれ。 「鋼鉄の言霊」は社会一般に対する我が闘争。 我が妄想に近いが、我が早漏よりもましであろう。まあ、これも気楽に読んでくれ。 「銀河のスクラップ」は本や映画の感想など人生のスパイスだな。たまに塩味がきついが気軽に読んでくれたまえ諸君。

銀河のスクラップ

家康(一、二、三、四巻)/安部龍太郎(10月31日読了)

徳川家康といえばやはり山岡荘八の「徳川家康」全二六巻が有名かつ決定版として知られている。俺の親父の本棚にも新品のままの全二六巻が並んでいた。そんな名作も書き始められたのは1950年代。表現も古ければ昨今発見された歴史的な資料も反映されてい…

一億円のさようなら/白石一文(10月17日読了)

作者がエンターテイメントに徹したと言っているだけあって確かに面白かった。主人公達が50過ぎのいい歳こいた大人なので話自体は結構ドロドロしているがハッピーエンドなので読後感はあー面白かったというさわやか感がある。 物語の始まりは主人公がインフ…

ギミ・サム・トゥルース/ジョン・レノン

生誕80周年記念のリマスター・リミックスベストアルバム。あなたはどちら派と聞かれれば迷わずポール派な俺だが、ジョンのソロ作品は昔、友達から借りたアナログ盤をカセットテープに録音してとりあえず一通り聞いている。なので俺が聴き馴染んでいるのは…

もっこすの城/伊東潤(10月9日読了)

築城の際、現代の現場監督兼設計主任みたいな立場にあるのが城取。築城に関することは当時の最重要軍事機密だから全て秘伝とされていた。築城においては城主の影響力が大きいのはもちろんだが城取の影響力も非常に大きく、知識、技術はもちろん思想や人格ま…

AIとカラー化した写真でよみがえる 戦前・戦争(光文社新書) 9月1日読了

白黒写真とカラー写真でどちらがリアルに感じるかと言えば圧倒的にカラー写真。第二次大戦から75年経ち当時を知る人は非常に少なくなり、それを語れる人はさらに少なくなった。これではいけないと世界大戦を後世に伝えるために始めたのが、白黒写真をカラ…

アンマーとぼくら/有川ひろ(講談社文庫)8月22日読了

ん~一時期はまりまくって読んだ有川浩なのにさっぱり面白くない。こちらの感性が変わってしまったのか・・・。2/3ほど読んだところであきらめてオチを先に読んでしまった。俺にとっての前作である「明日の子供達」は社会的問題をあからさまに取り上げた…

伊藤政則トークイベント「遺言」 8月29日オンライン視聴

昨年から開催されていたトークイベントがオンラインでも開催され、私の様な地方伊藤親衛隊員(笑)にとっては非常にありがたい。 こういうトークイベントに参加するのは、俺のような歳のいった、しかもライブで腕組みしているようなメタルファン(笑)。まあ…

邪心の覚醒(上下)/エリックジャ・コメティ(竹書房文庫)

「ナチスの聖杯」の続編。 前作もそうだったが下巻後半の息をもつかせぬ展開は最高だ。謎の力をもつスワスティカを探すナチスと英国諜報部の争いという基本構図は変わっていないが、ここにヒトラーがなぜ力を持つようになったのかが同時に描かれる。そのため…

乞食大将 後藤又兵衛/大佛次郎(徳間文庫絶版)

乞食という言葉がダメで再版不可能な作品と知って探すこと約10年あまり、ついに古本を入手。探した甲斐がありました。心に染みる名作であります。 後藤又兵衛は大阪夏の陣での奮戦がつとに有名で近年大河ドラマでも扱われるようになり知名度が上がっている…

日本沈没/小松左京(角川文庫)

「復活の日」を読んだ勢いで読んでみた日本SF文学史上に輝く名作。「復活の日」も十分に恐ろしかったが、それ以上に恐ろしくしかも悲しい。しかし作品のまとまりとしては「復活の日」の方が上のようにも思える。まず地震理論の説明がやたら長いので、正直…

維新の肖像/安部龍太郎(角川文庫)

同じ作家で以前読んだ2冊が殊の外面白かったので読んでみた。以前読んだ2冊はいずれも従来の歴史小説とは変わった視点が新鮮で面白かった。結論から言えばこの作品は今一つ面白くなかった。それは善悪をはっきり付けたからだと思う。前に読んだ2作は従来…

復活の日/小松左京(角川文庫)

この御時世でこの名作を初めて読んだが、読んでいて気持ちが悪くなるほど恐ろしい。ウイルスによって人類が滅んでいく描写は今現在のTV映像とかぶる。特に東京を描いた描写で、人々がただ事では無いと自覚するのが混まなくなった電車というところは完全に…

トヨトミの野望/梶山三郎(小学館文庫)

冒頭の反社勢力エピソードは経済小説と思って読み始める読者の意表を突く作者の巧妙な罠で主人公の武田が破天荒な人物でやることは凄い事だと思わせることに成功している。続いて武田と対照的に凡庸そのもののトヨトミ家御曹司”統一”とトヨトミ家の背景を描…

ダブルトーン/梶尾真治(徳間文庫)

夢の中で別人になるという体験は誰しもあるのではないだろうか。夢から覚めてぼんやりとしたしかし確かな記憶がある。それがもっと具体的に日を追う毎に確かに実感出来るようなって来たら・・・。田村裕美は子育てに少し疲れた主婦だ。平凡な日々を愛想が無…

メタル脳 天才は残酷な音楽を好む/中野信子

丁度一年ほど前に買っていたのを忘れていた。ガキの頃から洋楽一筋、気づけばメタルばっかり聞いてアバウト40年の俺としては頷くところもあれば、え~そうかぁ~と思うところも多々ある。 まず最初、著者がどうしてメタルが好きになったかが説明される。こ…

紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人/歌田年

2019年「このミステリーが凄い」大賞受賞作。そんな事とは全く関係なく模型誌に紹介されていたので読んでみた。模型にまつわることがポツポツと出てくるが、ほほーん程度で模型ファンのツボを突くような内容ではなかった。日頃、ミステリーを読まない俺…

わかりやすいベトナム戦争/三野正洋(光人社NF文庫)

マスゴミの偏向報道が問題になって久しい。特にツイッターを見るようになってから偏向報道を強く感じるようになった。これが昔から行われていたわけだから過去の報道も相当に歪んでいたに違いない。特に自民党とアメリカに関する報道は相当歪められていたと…

風の如く水の如く/安部龍太郎

「道誉と正成」が実によろしかったので同じ作者の旧作を読んでみようと思い戦国時代の武将で一番好きな黒田如水を主人公にしたこの作品を選んでみた。読んでいて既読感があり、あれっと思ったら新聞で毎日読んでいた「家康」(現在中断中)が同じ作者だと今…

地獄の門(上)(下)/ビル・シャット&J・R・フィンチ

この帯を見た時になんだこれは俺のために書かれた本か!と思ったぐらい俺の趣味に、弩ストライクだった。昭和東宝特撮的展開を期待したがページをめくる毎に期待感は失望へ。基本的に翻訳物が苦手な俺が一番苦手なのは、いわゆる欧米の回りくどい言い方のジ…

ヒグチユウコの魅力

最初に気に入ったのは嫁の方だ。 5年ぐらい前だったかキモカワイイと絵本か何かを買ってきた。 見れば猫の頭に蛇の腕、手足はタコという何とも言えない奇妙な生き物がたくさん書いてあった。その時は、あーまた面白物見つけやがったな程度にしか思わなかっ…

道誉と正成/安部龍太郎(集英社文庫)

鎌倉幕府滅亡から南北朝騒乱の始まりまでを婆娑羅大名として知られる佐々木道誉と忠臣として名高い楠木正成の二人を通して描く。俺の知識は日本史教科書と大河ドラマ「太平記」。佐々木道誉は陣内孝則でイメージが定着。楠木正成は武田鉄矢。悪党だけど一途…

深海の使者/吉村昭(文春文庫)

太平洋戦争中、日本はドイツと交流を行うべく潜水艦を派遣する。その潜水艦の苦闘の物語・・・と思って読み始めると1隻目が苦闘の末に70ページほどで行って帰ってきた(笑)。ドイツに派遣された潜水艦は他に数隻あり更にドイツから派遣された潜水艦もあ…

柴田直人自伝/柴田直人

ヘヴィーメタルバンド「アンセム」のベーシストの自伝。このバンドを初めて見たのは87年だと思う。若い頃1ヶ月間に神戸、広島、徳島と追っかけたこともあるぐらい好きなバンドだ。この本は昨年出ていたのだが思い出したように入手して一気読みした。アン…

アイアンスカイ第三帝国の逆襲

前作の好評を受けて続編のクラウドファウンディングを行ったところ1.5億円も集まって作られたのが本作。今度は地下からナチが攻めてくると聞いて、地球空洞説に基づいて地下で体制を立て直したナチが攻めてくるという、そんな単純なストーリーを予想した…

ナチスの聖杯(上下)/ジャコメティエリック・ラヴェンヌジャック(竹書房文庫)

親衛隊将校が描かれた表紙絵は俺に「買えニッヒ!」と言っていた。いわゆる聖杯ネタなんだが、かなり詳しく調べられており訳も正確で時系列やミリタリー的表記などでしらけることが無い。上巻は物語の説明的な部分も多くやや淡々としているが、下巻は最初か…

なぜ日本陸海軍は共に戦えなかったのか/藤井非三四(光人社NF文庫)

一般的に好戦的な陸軍に対して平和的な海軍という認識が広く日本人にはあるが、そんな認識を根底から覆すと共に当時の軍上層部に対して真剣に腹が立ち現代日本にもつながる日本人の本質さえ考えさせられる一冊。終戦記念日が近づくとこの手の話題も多くなる…

レギオニス秀吉の躍進/仁木英之

文庫書き下ろし第三弾。ここまでは柴田勝家から見た物語だったがタイトルに秀吉が来た。しかしあくまで柴田勝家が中心に進む。描かれる時代は織田家が最も苦労した時期。軍団長というタイトルからすれば織田家消滅=本能寺の変で終わり、長引いても賤ヶ岳の…

ロックザネーション 6月8日

1 ワイルドハーツ”レットエムゴー”2 ミラス/シェヒーリ”リリトゥイル”3 フェアウォーニング”アウトオンザラン”4 ブラックレベルソサイエティ/ソニックブルー2019ブレンド”マザーメアリー2019”5 アモンアース/ベルセルク”ハマーオブソート”6…

ゴジラ キングオブモンスターズ

わかるんだよ、ゴジラ愛にあふれた映画と言うことは。東宝シリーズリスペクトネタ散りばめられ、各怪獣達の造形は人それぞれ好みの問題だが、特徴を活かした格好良い見せ場があった。特にキングギドラが十字架を手前にして雄叫びを上げるシーンは悶絶級の格…

黄泉がえり/梶尾真治

続編が出て、それに加藤清正が出ていると聞いて俄然読みたくなった。 だがそれにはまず本作から読まねばと読み始めたが、熊本出身の俺にとってはなんで今まで読まなかったのか不思議なぐらいの作品。 梶尾真治は昔、地元新聞に「カジシンの躁宇宙」というエ…